セラミック治療について詳しく知りたい方KNOW
セラミック治療と保険内の治療の違いについて
保険内の治療は、決められた材料と金額での中で治療をしなければなりません。そのため、十分な精度や耐久性のあるものを作ることができません。
これがセラミック治療にすることで解決ができます。それではセラミック治療についてお話します。
古代から現代の最新技術へつらなるセラミックスの歴史
最新の歯科材料として使用されているセラミックスは古代、粘土からつくる焼き物からその歴史が始まりました。縄文・弥生式土器、瀬戸焼、有田焼、伊万里焼。これらはすべてセラミックによってつくられたものであり、焼成温度が高くなるにつれて薄く、軽く、そして硬度を増していきました。
次にヨーロッパに始まった産業革命は、セラミックスを大量生産できる工業製品に変え、陶磁器だけでなくガラスやセメント、また台所用品から自動車部品まで、セラミックは私たちの日常生活にありふれた、安全で使い勝手のよい素材として広く普及していったのです。
さらに1980年代から急速に高純度化、または純度の制御が可能となり、電子部品、各種精密機器にも使われるようになりました。
セラミック製品の利点は、金属やプラスチックに勝る「耐熱性」「耐摩擦性」「耐腐食性」。
そんな長所を人体に活用しようとしたのがバイオセラミックスであり、人工骨やインプラントがそれにあたります。
プラスチックのコップとセラミックのコップで例えたときにプラスチックのコップは、何度も洗うと傷が付いてしまい、汚れも取れなくなりますよね。
しかし、セラミック陶器のコップは、何度洗っても傷が付かず、汚れも付きにくいです。
コップでの例え以外にも、セラミックは金属と比べて
・舌感がいい
・熱さを感じにくい
というメリットがあります。
歯科におけるメタルからオールセラミックスへの進化
歯科でのセラミックス使用は古くは19世紀末までさかのぼり、ポーセレンジャケットクラウンがその始まりとされます。
熱や摩擦、腐食への強さとともに天然の歯と変わらない美しさに注目されたわけですが、しかし、セラミックによる製品には「もろさ」という弱点がありました。
そこで金属による土台をつくり、その表面にセラミックを焼き付けることで耐久性を得たのが1950年代に開発された「メタルセラミックス」です。
しかし金属は光を透過できないため、形こそ天然の歯と同じにできても、天然の歯が持つ「透き通る美しさ」を再現することができません。
また後年、金属アレルギーの問題も取り沙汰されるようになりました。
そこで工業技術の進歩に伴い、土台もセラミックスでありながら、ある程度の強度も確保した「オールセラミックス」が完成します。
セラミックスによる歯科材料
- セラミックインレー(セラミック製の詰め物)
- オールセラミッククラウン(すべてセラミックでつくられた被せ物)
- ジルコニアオールセラミッククラウン(土台に人工ダイヤモンドを使用した被せ物)
- ラミネートベニア(主に前歯の表面に貼る薄いセラミック片)
セラミックインレー
セラミックでつくられた、奥歯への白い詰め物です。
銀歯や金歯と違い、自然な歯と変わらない美しさを持ちます。
強度が高く、色のバリエーションがありますので患者さまに合ったものをご提供できます。
オールセラミッククラウン
すべてセラミック素材でつくられた被せ物です。
内部に金属を使用していないため光の透過性が高く、天然の歯に近い審美性があります。
長期間使用しても変色などの劣化もありません。
ジルコニアオールセラミッククラウン
ジルコニアの表面をセラミックで覆った被せ物です。
オールセラミッククラウンよりも若干透明度に劣りますが、より強度に優れるため、奥歯などの噛み合わせの強い力がかかる部位に最適です。
ラミネートベニア
歯のエナメル質の表面を一部薄く削り、付け爪のようにうすいセラミック製の人工歯を貼り付けます。
変色したり、歯の表側にだけ虫歯がある前歯に最適の治療法です。
歯並びの見た目も簡易に矯正することができます。
セラミックスの持つ利点・欠点
セラミックスの光の反射や透過性は天然の歯にきわめて近く、現在使われている歯科材料の中で最も審美性にすぐれたものとされます。
見た目だけでなく、「高い生体親和性」「高い化学安定性」「吸水しない」といった理由から材料学的にも安定しています。
オールセラミックスの長所
- 自然な美しい歯と見分けのつかない審美性
- 生体親和性、安定性ともに高い
- 表面がなめらかで歯垢などがつきにくく、虫歯や口臭を防ぐ
- 経年的変化が少なく変色しない
- 金属よりも硬さがある
- 金属アレルギーのリスクがない
オールセラミックスの短所
- 自費診療となるため、保険診療に比べてコストがかかる
- 衝撃や引張強度が弱く、力の強さによっては割れることもある
- 製作が複雑で、熟練した技術が要求される